
今回は20万!!
え…けんべるは交渉人として稼ごうとしてない?

そうそう…これで稼げる…
じゃ、なーーーい!!
さあ、今回の万引き犯のお話は2022年4月18日のお話。
前回、犯人の抵抗にあい警察沙汰になったのとは違い、今回は犯行後素直に犯行を認め、犯人が「示談を希望」しました。(うん、普通の感覚🙄)
結論から申し上げると、
💡週に2回位、赤飯おこわおむすびをポケットに入れて万引きし続けた犯人の代償は…
示談金…
ドンッ!!!20万!!!
前回第1回の記事をお読みでない方はこちらから是非。
※第1回は気持ちを込めすぎて、超長文になってしまいました。
サクサク読み飛ばして頂き、是非第2回に戻ってきて下さい🙇♂️
第2回はきっと成長もしてる💪
この記事を読んでいただくと、
・第1回の万引き犯対応の経験から成長したけんべるの洗練された「万引き犯対応ノウハウ」が分かる ・胸に手を当てて、「自分だって気をつけなきゃな🙄」ときっと思う ・示談書の雛形を使える ⇨JPEG貼り付けなのはごめんなさい。PCから消えていました🙄でも、手書きでも良い…とどこかのサイトに書いてありました ⇨小売業経営者の皆さま、今回使った「示談書」の雛形(うん、自作🙄)を公開しています。「あ、これじゃダメ」とか気づいた方いたら、ソッコーご連絡下さい🙇♂️何もご連絡なければ、「これは使える!」ということで、今後も利用していきます。皆様もどうぞご自由にお使い下さい✨
この記事を書いているけんべるとは、こんな人です。

オーナー、今日は話を短くまとめてよ

うん、頑張る💪
赤飯おこわを盗み続けた男への請求額は…20万円…ドンッ‼︎

前回の万引き犯より前から、始めていたデイリー商品の廃棄チェックリストの印刷。
今度は1号店の店長より、報告が上がってきます。

オーナー、最近赤飯おこわのおむすびが、時々1個だけ足りないことが多いんです…

赤飯おこわだけ?
ちょっとじゃあ調べてみようか…
犯行の様子・・・ゆ、許せん!!
そして見つけた犯行の様子。
犯人Bは、50代後半の人の良さそうな常連さん…常連さん😳

週に2、3回は来ている方ですよ。。
とっても人の良さそうな…
そ、そんなまさか…😢
パンやドリンク、カップラーメン等をよく買ってくださる方でした。その中の赤飯おこわおむすびだけは…さっと右のズボンのポッケの中に…イン!!
常連さんであるだけに、ショックは倍増です😩
更には…ビデオで確認できた犯行中、その盗んだ赤飯おこわおむすびを店内のイートインで食べていくという…

ちょっと私の閻魔でコイツを一刀両断しても良いですか?

うん、いいよ😊👍
防犯ビデオによる犯人の特定の仕方
ここは小売業関係者の方だけ。ご参考まで。
- 1日5回の廃棄リストを全部印刷する
- デイリー商品で売り場から消えているものをチェックする
⇨印刷、回収までに売れているものはOK。万引きが疑われるものをピックアップ - 該当の商品を防犯ビデオでチェック。検品時に売り場のどこに置かれたか
- 1時間ごとに販売データと、ビデオの売り場状況をチェック
- 不審に思われる減り方を見つけたら、10分単位でチェック
- どんどん時間を狭めていき、該当の犯人を割り出す
従業員さんによる販売ミスであったり、当店のようにセルフレジを使っていると、お客様に完全に悪意のない場合もあります。ただ…悪人による悪事の場合は…すぐに分かります🙄(うん、挙動不審🙄)
示談金は20万!ドンッ!!
犯人Bは1週間に2、3回は訪れる常連さんです。あとはもう赤飯おこわおむすびをビデオにわかりやすく映るところに陳列し続けることを徹底し、次に犯行に及ぶ機会を待つだけ。見つけてから数日後に現れました。

オーナー、赤飯おこわの万引き犯、現れました!!
イートインで盗んだ商品を食べ始めています!!

・・・
今すぐ行くから、とりあえず、店長と、従業員さん2人で犯人に声をかけて、逃げないようにしておいて
朝早い時間でしたが、私は近くのジムで待機中。声がかかり、すぐにお店に駆けつけます。
今回は抵抗はなかったようで(それだけはよかった…🙄)私よりずっと歳上の人の良さそうな犯人Bがバックルームで座っています。
そこからは、私と犯人の長い長い話が始まります…。

えーーー
けんべるって万引き犯に対しても話が長いの??
犯人は、近くの会社で正社員として働く50代の男性。
妻子ありとのこと…(なぜ…😩)
見た目、話し方ともに、とても犯罪をするようには見えません。
犯人「最初は手に抱えきれずに、おにぎりをポケットに入れたんです」
私「はい」
犯人「そのままお会計をするのを忘れてしまったことがきっかけでした」
私「・・・」
その後私がどんな話をし、示談金の受け渡しまでをしたのか、まとめてみます💪
- 万引きという犯罪の罪深さ。小売業の大変さ(第1回の万引き犯編参照して下さい)をコンコンと。1個の万引きで、同じ商品なら20個以上販売しないと元が取れないお話
- 万引き犯対策で、お店側が被っている時間的負担のお話
- 犯人に声をかける時に、従業員が感じる精神的負担のお話
- 経営者にとって万引きは、財布の中からお金を抜かれるのと同じだというお話
- 示談金についての具体的なお話
- 実際の示談金の受け渡し(その場ですぐに)
小売業の大変さを知らない方は、第1回を是非!
なぜ警察通報ではなく、示談にしたのか

1番は犯人Bが抵抗しなかったから。
抵抗されたり、逃げようとしたりする場合は、すぐに防犯ブザーを押しましょう。
防犯ブザーをかざしながら、犯人に交渉するのも良いですね。
私のチェーンの場合はですが、防犯ブザーは押した段階で、警察、アルソック、両方に通報が入ります。
その後、ほんの数分で駆けつけてくれます。
示談にすることのメリット3選
警察への通報ではなく、示談にすることのメリットを挙げていきます。
時間の節約になるよね
もうこれが1番です。
前回第1回でも、警察に通報後、結局は弁護士との示談話になりましたね。
(詳しくは第1回の記事をご参照ください🙇♂️)
その手間たるや…私と2号店店長の時間がどれ程消費されてしまったか…。
- 私と店長が警察に対応した時間だけで合計10時間位
- 私が弁護士に対応した時間だけで5時間位
- 弁護士との交渉に向けて私が勉強した時間2時間位
ざっとあげただけで、これ位の時間が、警察→示談の場合です。
次に今回の私だけで示談交渉にあたった場合です。
- 私が犯人Bとの示談交渉2時間
- 示談書作成1時間
以上です。また、この時作った示談書を後ほど公開しますが、次以降でも使い回せるように…と意識しました。
条件はこちらで決められる
万引き犯には、示談金だけではないことをしっかり守らせたいですよね。
そこはしっかりと示談書に明記します。
後々のトラブルも防ぐことができますね。
交渉力次第で犯人により反省を促せる
このメリットも大きいです。
私は今回の犯人に対し、小売業の大変さや私達の失ったものが商品だけではないことを懇々と説明し、犯人に対して反省を促していきました。
特に万引きをする方に理解して欲しいのは、「小売業の大変さ」です。
第1話では、1個の商品を万引きされると、その元を取るためには、23個位の同じ商品を売らないと元が取れない…というお話をしました。
「罪の意識」に気付いてもらうことで、今後、私のお店だけでなく、受けていたかもしれない、周りのお店でも、被害がなくなるかもしれません。
どこまで伝わるかは分かりませんが、警察でお説教されることでの「恐怖」より、自分の罪を見つめることでの「後悔」を促すことが…重要だと、私は思います。

オーナーの長い話を延々と聞かされるなんて、これは罰ですね

ん、複雑な気持ち🙄
示談にすることのデメリット3選
犯人との交渉にはそれなりに時間がかかる→今回は約2時間
今回のように小売業である私達にとって、「万引き」という事件が発生した場合、対応すべき「超最優先事項」となります。
今回も朝の忙しい時間に店長が、犯人に話しかけ、その後店長には発注や朝ピーク対応をしてもらい、私が変わって犯人と交渉…。
警察に連絡した場合は、それ以上に大変ですが、警察なしでの示談交渉でも、それなりの労力が必要となります。
この時にしっかりとした対応ができるかどうかは、
主体者(オーナーや店長)がシフトから離れた状態で対応できるかどうか
これが万引き犯対応で、重要なポイントになります。
私は現状では、お店のシフトから離れて、今回のように緊急時対応ができています。
これが5年前のオープン直後だと思うとゾッとします。
万引きに気付いて、捕まえようとした時、店内体制が整っていなくて、シフトが厳しい時には、本部社員に協力してもらったり、最悪、お客様をお待たせしてでも、万引き犯対応を優先するしかありません😩
泣き寝入りの可能性も視野に入れる
警察を介さない…ということは、夜逃げされたり、犯人が実はお金持ちで、ガチガチに弁護士等を雇って、逆に訴えてくる…そんなリスクは当然あります。
直接示談交渉…ということはそういったリスクもあることを承知の上で望みます。
刑事罰がつかない限り、犯人は反省しない危険性はある
警察に突き出す、警察を介さない…どちらが反省するかは、本当に分かりません。
今回の犯人も、本人の言葉を信じれば、初犯。
毎回赤飯おこわおむすび1個だけを盗み、他は購入していたことを考えれば、本当なのではないかなと思います。
こういう方は警察沙汰になって、職や家族を失うリスクに晒されて、金輪際悪いことはしない…と反省していたかもしれません。
今回の万引き犯は、本当に見た目では全く分からない方、普通の方です。
それでも、魔がさす…ということは誰にでもあるのだと思います。
私は魔がさしただけだ、この人はきっと今回のことを反省し、今後は悪いことをしない…と信じたい。
が、犯人がストレス解消や万引きを楽しむ段階に移行してしまっていたとしたら…。
再犯の可能性のある方を、刑事罰の可能性なしに、野に放ったことになります。
公開!示談書の書き方!!→えーと…これで良いかは保証しません!!!
まずは今回使った実際の示談書を公開しておきます。
印刷して使えるかな?
もし使えるなら使って頂いて大丈夫です。(えー、自作なので保証はしません)
私も前回第1回の万引き犯の時に、先方の弁護士先生が用意してきた示談書、さらにはネットで調べた情報をもとに、今回の件が起きてから作ったものです。
これが効力を発揮するかどうかの保証は無しですが、ご参考まで😊
どうしても示談金を回収したい…
もしもの時の裁判になった時などには、有効なものにしたい…
場合には、ちゃんと弁護士先生とかにご相談をお願いします🙇♂️

けんべるのお店のその後の方針
年末の極悪万引き犯、そして今回の魔がさしたと思われる万引き犯、4ヶ月の間にこの2人の対応をしました。
一方は警察に突き出し、一方は直接の示談交渉で収めました。
その後の私のオーナーとしての方針がより定まりました。
犯行後、来店した場合、声をかける
一般に言われているような、店内から出るのを待つ…このようなことはしません。
犯行に及んだこと、明らかに防犯ビデオで確認した犯人と一致していた場合は、静かに声をかけることにしました。
その後、犯人の往生際が悪い場合は、警察に相談するしかありません。
証拠不十分で釈放になった場合でも、それは、
今後こいつは来なくなるな…
と思って溜飲を下すことにします。
訴えられた場合は、こちらも弁護士先生に相談して、お金がいくらかかろうが、徹底的に闘うことにします。(そうならないことを切に願いつつ、やはり交渉力が重要です🙄)
抵抗した場合、すぐに防犯ブザー
とにかく従業員さんの安全第一、そしてお客様の安全第一です。
少しでも危険を感じたら、速攻防犯ブザー対応です。
抵抗しなかった場合、示談交渉
骨の折れる作業ですが…私の出番です。
いくら時間がかかっても、犯人を諭し、反省させ、今後の悪事に繋げないようにします。
まとめ・次回予告
今回の万引き犯からは、その場で、即金で払える額の最大値、20万円で事を納めることにしました。
それは、
- 実害の金額が微少だと思われるから
- 直接交渉中の犯人の態度で反省を感じることができたから
- 長引かせることにより、こちらの体力も更に奪われるから
それでも犯人にとって、魔がさして始めてしまった万引き行為が、
家庭・仕事・信用…全てを失いかねなかった。
ここを本当に自覚して欲しいと思うのです。
体験談③このやろう…4200円のニッカシングルモルトの宮城峡を…示談金は100万円を請求中(ドンッ!!)
この記事を書きたくて始まった万引きシリーズ(?🙄?)です。
次は、本当に直近のことなので、サクッと?すぐに書き始めるつもりです。
前回の予告で、20万円までは振り込みがあったことをお伝えしていました。
残りの80万円が振り込まれたのかどうか…乞うご期待!?
Coming Soon‼︎
私達小売業者にとって、万引きは、本当に許し難い犯罪です。
どうして、人の物を盗んでおいて、平気でいられるのか…。
今回も本当に普通のおじさんが、悪いことと分かっていて、同じことを繰り返してしまう…。
私のお説教が、効果があったのかどうか…答えは出ないままです🐸
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